豊かな工芸社会を実現する つかい手・つくり手

10年先のモノづくりのつかい手

私たちの暮らしから なくなりつつあるもの

街を歩いていると、ふと着物姿の人とすれ違うと、思わず目で追ってしまう…
そんな経験はありませんか。

それは、現代の暮らしの中で日常的に着物を着る人が少なくなっているからでしょう。ほんの100年前の日本では、着物は日常生活の衣服であり、どこを見まわしても着物姿は当たり前の光景でした。しかし今は、着物姿を珍しく感じるほど、身のまわりから姿を消しています。着物姿を思わず目を追ってしまうのは、それが珍しくなってしまったからだけではありません。私たち日本人の心の奥底に根付いている、先人たちから受け継いできた「日本の美意識」に響く何かが、そこにあるからではないでしょうか。

その昔、たとえば祖父母の若かった時代には、着物だけでなく、毎日の食卓に使う茶碗や箸、季節の挨拶をしたためる紙、など身のまわりで普段使いする暮らしの道具を通して、四季の移ろいを愛でてきました。季節の行事や日常の暮らしの中に、日本の情緒を感じとる機会が沢山ありました。今ではこのような「日本の美意識」を感じることのできる「こと」や「モノ」が私たち日本人の暮らしから少なくなってきているように感じます。

とはいえ、私たち日本人の生活スタイルは、大きく変化しています。その中で消えゆくものがあることは仕方のないことかもしれません。しかし、先人より受け継いできたものが大切なものであるのなら、それらを今私たち世代でなくしてしまわないように、そしてそれらを子供や孫にも伝えていきたいと思うのです。

つくり手の 高齢化・後継者難

再び着物を例にすると、着物姿の人をみかけることがすくなくなったということは、それだけ市場が小さくなっている、ということを意味します。
実際、着物業界の小売市場は、今や20年前の1/4以下の3,000億円まで落ち込んでいます。カジュアル衣料のユニクロの国内売上は、6,000億円。驚くことに、着物全体でユニクロ一企業の半分程度しかないのです。
そして、このような現状は着物業界に限ったことではなく、日本のモノづくりの市場では、どこでも見られることなのです。

さらに、こうしたモノづくりを支えてきた職人の高齢化や後継者難が進んでいます。
「この製品を作ることができる職人が数えるほどしかいない」「現存の職人もみな、高齢化しており、跡取りもいない」、という話は、日本各地の多くの産地で聞かれます。

はたして10年後、どうなっているのでしょうか….
一度失われた伝統や技術は、たやすく元に戻すことはできません。なぜなら、作る人、そしてその技を伝承する人、がいなくなってしまうからです。

これは単にその「モノ」がなくなってしまうだけではありません。世界で高い評価を受けている、私たち日本人が暮らしの中で育んできた、伝統文化、日本の美意識も同時になくな ってしまうのです。

わたしたちにできること

このままでいいのでしょうか。
私たちにできることはないのでしょうか。

私たちが日々の暮らしの中でできること、
それは、「知ること」。
そして「興味を持つこと」。

あなたの身のまわりに、どれだけの「メイド・イン・ジャパン」がありますか。普段何気なく使っているものも、改めて見てみると、「メイド・イン・ジャパン」が意外と少なく感じるのではないでしょうか。

もし、「メイド・イン・ジャパン」のものがあれば、それを手にして、よく眺めてみてください。
「つくり手はどんな思いでこれを作ったのだろう」「どんな場所で、これは作られたのだろう」
なんでも構いません。まずは、それらに思いを馳せてみてください。いままで見過ごしていたことに、きっと気付くはずです。

そして次にできること、それは「使うこと」。

あなたの身のまわりに「メイド・イン・ジャパン」のものがあれば、それを日々の暮らしの中で、どんどん使ってみてください。

モノづくりは、つくり手だけでなされるものではありません。それらが使われることで、はじめてモノづくりが完結するのです。

10年先のモノづくりのつくり手

私たちの想い『四位一体』


NPO法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクトでは、
モノづくりに関わる『四位一体』の取り組みを全国的に広げていきます。

ニッポン人はモノをつくることに秀でていると言われ、先人たちのモノづくりに対する知恵と努力の賜物として今のニッポンがあります。そのモノづくりの衰退が止まりません。ニッポン各地で100年以上続く“伝統工芸”の衰退も同じように止まりません。この20年間で企業数は半減、従業員数・売上げは約3分の1に減りました。

その最大の理由として、「 生活者のライフスタイルや価値観の変化とモノづくりに対する情報不足」が挙げられます。そしてこの衰退は、伝統工芸だけにとどまらず、モノづくりを通じて各地域を牽引してきた中小零細企業の衰退にも及んでいます。

このままでいいのか、
本当にこのままでいいのか・・・

私たちMIJPは、この現状を打開すべく活動しています。この活動では、『“10年後のニッポンのモノづくりのために”地域文化を活性化し、誇りあるニッポンのモノづくりを継承する』をビジョンに掲げ、モノづくりに関わる方々だけでなく、流通関係者、クリエイター消費者による「四位一体」の取り組みを全国的に広げてまいります。

各地の産業が衰退する現状を憂い、自分たちの手で少しでも多くの大切なモノ残したいと願い、行動しています。

みんなが繋がることで新たな何かが生まれる、そして新たな何かが生まれることで地域が活性化し産業が再興されるという新たな継承のスパイラルを全国47都道府県で生み出すことこそが、私たちの存在意義であり、思いでもあります。

ニッポンのモノづくりを応援する。
現在進行中の主なプロジェクト・活動

NIPPONSAN

NIPPONSAN

土地で採れた素材を、土地で生活する人が使う。その営みが「産地」を形成してきました。日本の各地には地域に根付いた文化があります。そして、その土地の風習に習った文化を土台にモノづくりが行われ、継承発展することで今に受け継がれています。地域で埋もれているモノづくりに光をあて、日本各地の素晴らしい商品を「NIPPONSAN」と名付け、 皆様に知っていただくことで産地のモノづくりの「発展」に寄与したいと考えています。

NIPPONSANの情報はこちらから

会員向け定例会

会員向け定例会

会員の方と入会をお考えのかた向けに、ニッポンのモノづくりの現状を学ぶことと、更なる会員様の交流をはかることを目的に毎月1回、本部定例会を開催しています。 セミナーでは、第一線で活躍されている方を講師にお迎えして、集まった方たちと一緒に、ニッポンのモノづくりの問題点を話し、考えています。

定例会のご案内はこちらから

定例ワークショップ

定例ワークショップ

毎月、第一土曜日には、定例ワークショップを開催しています。日本の伝統的なモノづくりを、楽しみながら学び、体験していただいております。大切なモノを、親から子供へと繋ぎ、残していくための活動です。ぜひ、ご参加をお待ちしています。

ワークショップのご案内はこちらから