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江戸の暮らしに学ぶ”冬編”~『お掃除道具』

開催日: 平成26年11月22日(土) 13:00~16:00

参加者: 7名

会場: NIHONBASHI CAFEST (人形町)

開催レポート

今回は、江戸の暮らしに学ぶ”冬編”として、

京橋から人形町界隈の老舗を巡りながら”江戸の人々のお掃除”にまつわる箒、

手ぬぐいといった道具に触れ、端切れからハタキを作る体験をしていただきました。

 

まず始めに江戸箒の老舗、天保元(1830)年創業の「白木屋傳兵衛」さんで

七代目の中村さんからお話を伺いました。

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本店のある京橋にはその昔、竹市場があったため、

その周辺に「竹」に関係のある商店が集まっていたそうです。

箒の材料は、関西では「シュロ」が主流ですが、関東では主に「ほうきもろこし」が使われており、

畳が庶民の住宅に採り入れられた江戸中期頃から登場したとのこと。

 

「ほうきもろこし」は主に千葉、埼玉、栃木、群馬、相模原などの関東近郊が産地で

土壌も選ばず、成長が早いため現金化しやすいことから農家の副産物として広く栽培されていました。

 

しかしながら昨今では、栽培農家も減り、材料の調達や下ごしらえをしてくれる人、

さらには箒に仕立てる職人も少なくなるばかり。

「白木屋傳兵衛」さんでは、早くからお店で職人をかかえていたため、

現在でも営業を続けていくことができているそうです。

 

江戸箒の特長は、

 

  1. なで肩の編み方が生み出す軽さとやわらかなバネ感
  2. 江戸好みの派手過ぎないデザイン
  3. 狭い住居でも使いやすいコンパクトサイズ

 

など、今その使い安さが見直されてきているそうです。

 

畳はもとよりフローリングの床を掃除機などで傷めたくない、

また昨今は共働きの家庭も多くなり、また夜にお掃除をしたい場合は

掃除機の騒音で迷惑をかけたくないなど、様々な現代事情により、

やわらかくて音の静かな箒を愛用する方も増えているとか。

 

さらに、掃除機は壊れれば即粗大ゴミですが、箒は穂先が痛んできたら

何度も切り揃えて使え、座敷で使ったあとは洗面やトイレで、次は玄関や外掃きで使い

最後は燃えるゴミで捨てられるエコな性質も見直されている理由のひとつではないでしょうか。

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その昔、「箒」は単なる掃除道具ではなく、「豊作祈願」に使われた神事の道具でした。

それが転じて、「妊婦のお腹を新しい箒でなでると安産になる」という言い伝えから

出産祝いに「箒」を贈るという風習が生まれたのです。

 

「出産祝いに箒なんて、粋でステキ!」と参加者からも声が。

日本人の心のどこかに掃除という行為を単なる作業で終わらせるのではなく

「はき清める」ことにより「気持ちもさっぱりする」精神性が潜んでいることもまた、

根強い人気の秘密かもしれません。

 

次に訪れたのは、手ぬぐい専門店の人形町「ちどり屋」さん。

約1200種類以上もの品揃えを誇る店内は圧巻で、手ぬぐい好きに限らず

思わず品定めしたくなる雰囲気の中、お話を伺いました。

 

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手ぬぐいは東京都内で「注染」という伝統技術で染められ、

表から見ても裏から見ても柄が同じ「裏表がない」まさに日本人好みの一品です。

また、優れた吸湿性と速乾性が、職人の多かった江戸の人々の汗をぬぐう布として

重宝され、エコな生活に徹底していた江戸の人々は、箒同様、手ぬぐいもとことん使い倒しました。

 

はじめは汗や濡れたものをふく布として、手で簡単に裂けるので怪我をしたり鼻緒が切れたときの

応急処置として、最後は汚れてきたら雑巾やハタキとして使ったそうです。

手ぬぐいの切りっぱなしのところがほつれてきてイヤだという方もいますが、

逆にそこが手ぬぐいのいいところで、縫ってしまうより水切れが良く、細菌がたまりにくくなり

もともと乾きやすいので、常に乾いていて衛生的なのだそう。

トイレの手ふきや食器のふきんには最適ですね。また、最近は手ぬぐいで泡立てて洗顔すると

角質がとれてつるつるになると愛用する方も増えているとか。

 

お手入れ方法については、色落ちするので単独手洗いが基本ですが、

何度か手洗いした後であれば、洗濯ネットに入れて洗濯機でも大丈夫とのこと。

ハンカチサイズの商品も出ているそうなので、ぜひ一度使ってみてはいかがでしょうか?

 

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そして「NIHONBASHI CAFEST」さんに移動して、ワークショップの時間です。

先ほど学んだ江戸の人々の手ぬぐいの活用法を実際に体験していただきました。

 

手ぬぐいを縦に8等分に裂いたものを放射状に並べていき、

中心に竹の棒をあてて輪ゴムと麻ひもでとめていきます。

 

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「なんだ、簡単!」「買わなくても作れちゃうんだ!」

 

だからこそ、日々の暮らしの中に採り入れていきたいものですね。

ワークショップ後はカフェのおいしいコーヒーや紅茶をいただきながら

みなさんで話がはずみ、楽しいひと時を過ごしました。

 

来月は江戸の”冬”を愉しむ第2弾として、『和凧づくり』を予定。

日本の伝統的なお正月遊びのひとつ「凧あげ」。

 

ご自分で色つけした和凧を作って、冬の青空に飛ばしてみませんか?

次回も楽しいワークショップとなるよう、メンバー一同張り切って参ります。