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CREATIVE KANTO 補助金事業
CREATIVE-KANTO MEETS NETHERLANDS
-食の創造的連携- 開催レポート

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開催概要

日本各地には食に関する豊かな地域資源(農産品、お酒、工芸品など)があるが、個々が孤軍奮闘しているのが現状だ。そのため地域資源単体ではなく、個々の地域資源を融合させて、新たな価値を創造する「連携」が極めて重要となる。個々の製品が持つ価値を超え、連携によって新たな価値を作り出すこと。それが本事業の目的だ。また、国際的にブランド力の高い地域資源が牽引役となり、他の地域資源を引っ張ることで併せて世界に向けて効果的に発信することができる。本事業は、新たな価値創造を世界に向けて発信するモデルケースとなるよう実施した。

オランダ王国と日本は、長崎県・出島での貿易開始から400年を越える交流がある。また近年オランダはデザイン先進国として、各国とクリエイティブな関係を有する国。本事業を実施するには最適のパートナー国である。オランダ王国大使館の多大な協力により、開催が実現した。

 

日時: 2015年3月10日

会場: オランダ大使館

内容: 専門家によるセミナー、地域資源を有効活用した展示・試飲試食

来場: 第1部 / 58名  第2部 / 129名

( 経済産業副大臣、大使館関係者、自治体、工芸関係企業、プレス、流通、海外販路、専門家、知日派外国人…等 )

 

登壇講師

朝霧重治・協同商事 代表取締役社長 (埼玉県川越市)

三澤彩奈・中央葡萄酒 取締役・栽培醸造部長 (山梨県甲州市)

家安 香・EdelkoortEaset 代表取締役/TREND UNION

ウィレム・コルテカース・ユーロアクト 代表取締役社長

 

第1部 シンポジウム

講演①「異分野との連携によるCOEDOビールのブランド戦略」

登壇者: 朝霧重治

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協同商事は元々、有機農業の会社である。規制緩和を機に、1996年、川越市の地域資源であるサツマイモに着目し、農家と連携してビール造りを始めた。その後「Beer Beautiful=ビールは素晴らしい」をコンセプトに、デザインやメッセージをブラッシュアップ。人々のビールの価値観を変えることに努めた。

ビールは色、香り、味わいと個性が豊かなお酒。その価値をどれだけ伝えられるか、それがデザインの役割である。今、世界的に「地域」や「小規模」であることが価値を生みやすいと実感する。

 

講演②「甲州ワインの海外展開に向けた連携方策」

登壇者:三澤彩奈

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日本国内に250のワイナリーがあるうち、山梨県には75のワイナリーがある。「甲州種ブドウ」は千年以上前から日本にある品種だ。残念ながら、長い間「二流」と言われてきたが、2010年にDIVに品種登録され、ラベルに品種名と産地を記すことが許された。それを機に輸出に弾みがついた。

山梨県産ワインの輸出を英国から始め、英国を拠点に欧州へと売り出す戦略を取った。6年間にわたる英国へのプロモーション効果で、著名なワインジャーナリストにも注目され、メディアに取り上げられる機会にも恵まれた。今は欧州で日本食との連携を進めている。

 

講演③「日本の地域資源が新しい価値を生み出すために必要な連携のポイントとは」

登壇者:家安 香

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地域は「唯一性」と他と「つながる力」を持つことが大事。流行りの「ローカル」を盾にしてはいけない。地域は、最先端のモノ作りの現場であるべきだ。本質を伝えるには、情報を整理し、デザインの言語を持つことが必要。地域へのアクセスを最適化し、教育的魅力を持つことができれば、他所からの見学者が増える。

オランダではユニークなデザイン教育が行われている。主とするのはデザイン=フィロソフィー。「何が、それによって、世界がどう変わるのか」というビジョンを常に持つことが重要である。

 

講演④

登壇者:ウィレム・コルテカース

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外国人は日本製品の品質の高さを理解しており、興味を持っている。しかし欧州では日本の食品やお酒は一部の愛好家向けでしかなく、商業的には成功していない。それをどうメインストリームに乗せるかが課題である。要因として、外国人から見て、日本製品は理解しづらいところがある。例えば大吟醸と純米大吟醸との違いが分からない。

まずは生産者同士が連携してサポートし、政府機関が調整を行うこと。少数の商品に絞り、アプローチする国を絞ること。生産地への訪問を企画し、きちんと情報提供すること。日本製品を売ると同時に、日本文化までも輸出することが大切だ。

 

第2部 交流会

「飲み食べ使うKANTO名産品ギフトボックス」

関東地区には、飲料、食品、工芸品など、多種多様な名産品が存在する。その中でもお酒とお茶を軸に、それぞれの飲料を味わうのに相応しい道具と、お供となる食品をセレクト。これらを編集して、新たな価値や使用シーンを生むようなギフトボックスを6セット作り展示した。

① クラフトビールを堪能するギフト

協同商事/COEDOビール、菅原工芸硝子/ビールグラス、茨城県白鳥干しいも生産組合/干しいも

② 最高級日本茶と向き合うギフト

ロイヤルブルーティージャパン/緑茶、玉露ほうじ茶、玉川堂/ワインクーラー、ワイングラス

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③ 日本産ワインを感じるギフト
中央葡萄酒/ワイン、大直 /SIWAワインバッグ、山崎金属工業/カトラリー、デザートフォーク、スプーン、静岡県/紅ほっぺ、クラウンメロン
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④ 日本男児に捧ぐウィスキーギフト
ベンチャーウィスキー /イチローズモルト、木本硝子/KUROCO、マルナオ/特上箸、木の葉箸台、欧都香/ピーナッツ
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⑤ 日本酒を楽しむ正統派ギフト
宮坂醸造 /真澄 純米大吟醸、つかもと/ぐい呑み、静岡県/潮かつお燻焼き

⑥ お米でつなぐ日本酒ギフト
木内酒造 /清酒菊盛 純米大吟醸古酒、熊倉硝子工芸/ミニワイングラス、新潟県/米
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テーブルコーディネート「盆栽フードガーデン」

フードコーディネーター:田中淳子

オランダ大使館公邸シェフ:ステファン・フォレ

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テーブル中央に樹齢300年の盆栽を据え、米と塩を使い、テーブルを庭に見立てて演出。寄せ植えの鉢や庭に咲いた花、石、砂をイメージして、ダイナミックに料理を盛りつけた。

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日本酒にちなんで、米にまつわる酒粕や塩麹、梅酢、白味噌などを隠し味に、日本にある四季折々の食材を使って「新しい味」を表現。シェフがフィンガーフードスタイルにアレンジし、パーティーを盛り上げた。

 

来賓挨拶

オランダ王国大使館大使 ファン・フォレンホーヴェン

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「日本とオランダ王国は、この400年間、特別な関係を築いてきました。オランダ王国にとって、どこの国と友好関係を結ぶのが最もプラスになるのか。それは日本を差し置いて他にないでしょう」

 

経済産業副大臣  山際 大志郎

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「日本には価値のあるいい物がたくさんあります。今回のイベントを絶好の機会と捉え、これから海外へ打って出たいと思います」

 

メディア掲載

新聞掲載: 読売、産経、地域新聞に掲載。

雑誌: MONOマガジンに掲載予定。

TV: TV埼玉の夜間のニュースで放送。

総括

本事業では、地域にある農産品、お酒、伝統工芸品といった優れた地域資源の連携・融合により、一つ一つの地域資源の価値を超えた、新たな価値を創造し世界に向けて情報を発信する事を目標とした。

第一部ではセミナーを開催。関東地区にて食と工芸の連携を進めている、または海外進出を進めている事業者より、自社の成功体験や苦労した経験などを講演した。COEDOビールの朝霧氏や、中央葡萄酒の三澤氏、TREND UNION の家安氏、ユーロアクト代表ウィレム・コルテカース氏にお越し頂き、魅力的な講演となった。

また第二部ではオランダ大使公邸を利用し酒やお茶、おつまみ等を江戸切子や益子焼などの食器で試飲・試食を提供。推定800万円の大宮盆栽をテーブルへしつらえ、テーブルの上には関東の食材を利用したフィンガーフードなどを色彩豊かに並べ、食の空間演出を施した。

展示では関東の食と工芸を一つのボックスにしつらえ、ギフトボックス『 KANTO GIFT BOX 』を製作・展示。食(酒・茶・米・干し芋・いちご・メロン…等)工芸(江戸切子、益子焼、鎚起銅器…等)の組み合わせにより使用シーンの演出・提案、ターゲットの明確化、様々な価格帯での見せ方により新たな可能性を模索した。

尚、本催事には多くのEU圏の大使館関係者に加え、経済産業副大臣やオランダ大使が来賓した。

特定非営利活動法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクトは今後も『豊かな工芸社会の実現』を目指し、尽力していく。今後も作り手同士の連携、作り手と使い手の連携を促すプラットフォーム役を果たし、地域産業や伝統文化に根ざした活動をして行く。

主催

関東経済産業局 http://www.kanto.meti.go.jp/

NPOメイド・イン・ジャパン・プロジェクト http://madeinjapanproject.org/