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講演概要

■ 講演名:【革新とともに時代がある】
■ 講師:長江 一弥 氏
( NPO法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクト副代表理事 )

■ 概要
日 時: 2014年9月17日(水)  19:00~21:00
場 所: ミッドタウンスルガ銀行内 [ d-laboコミュニケーションスペース ]
参加者:総勢 10名

 

開催レポート

今回のテーマは【革新とともに時代がある】でした。

講師にNPO法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクト代表理事である下川氏、
そしてメイド・イン・ジャパン・プロジェクトの活動・ビジョンをより多くの
「つくり手・つかい手」と共有をする為に拡大部会長を勤める長江氏を迎え、
対談形式の講演となりました。

[ 講演トピック ]

  • ・MIJPが提供する定例会やワークショップの役割とは
  • ・工芸社会と工業社会について
  • ・有田焼など産地に根付いた伝統工芸品から産地ブランディングを考える
  • ・(ディスカッション)日本のものづくりとパトロンの関係性

[ MIJPが提供する定例会やワークショップの役割とは ]

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ワークショップは下川氏の代表挨拶から始まり、今期より拡大部会長へ就任した
長江氏の自己紹介から始まる。

先ずはこれまでMIJPの定例会やワークショップへ参加した事が無い方へ
最近の定例会の様子を振り返りつつ、MIJPの大きな活動の一つである
定例会等の参加・学習型イベントについて対談された。

お二人の対談の中にその答えがありました。

普段は馴染みのないつくり手、つかい手の視点を
日常で感じる事ができる体験を提供して行きたい。

現代では伝統工芸と聞くと生活とかけ離れたモノの様に聞こえるが、
本来伝統工芸と言うのは日々の生活の中に息づくものである。
そういった時代の成長の中で薄れて行った生活に息づく伝統工芸を
”日常で” 体験し、楽しんで欲しいと話した。

「つかい手」が楽しむプロセスの中で、伝統の価値を再認識、再評価して欲しい。
そうしていく中で「つくり手」を応援したい。と下川氏は話す。

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[ 工芸社会と工業社会について ]

二人の対談は続き、話の中で長江氏が下川氏に前から聞きたかった事があったと話し始める。

今期のMIJPが掲げるテーマ『 豊かな工芸社会を実現する 』の中にある、「工芸社会」とは
どの様な社会の事を差すのかと長江氏。

「つくり手」と「つかい手」の豊かな関係性の中に工芸社会は成り立つが
逆に現代は何社会であるのか、話はそこから始まる。

現代は大量生産、機械的、安い、広告等のイメージに左右される「 工業社会 」だと下川氏は話す。

工芸社会 ≠ 工業社会

相容れない二つのライフスタイルだが、「 バランスも重要だ 」と話は続く。

工芸社会には昔らから受け継いだ良い作りのモノ、丈夫な手作りのモノが生活の中で活きる事であるが
現代の社会とのマッチングが上手くいかず、店を畳まければならない職人も増えている。

一方、工業社会から生み出されたモノの良さは手軽さ、発達した技術から
開発された保存食等、いざという時には活きてくる場合もある。

[ 地域に根付いた伝統工芸品から産地ブランディングを考える ]

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工芸社会の話から、瀬戸焼き出身である長江氏と現在有田焼のブランディングにも
携わっている下川氏の対談は瀬戸焼き、有田焼の歴史を掘り下げて対談は続く。

有田焼400年の歴史の中で売上げはなんと五分の一まで落ち込んでいると話す下川氏。

有田焼き等、焼き物の文化の一つに分業制がある。窯元、型屋、絵付け(下絵、上絵)、問屋…等
制作をする上で一つ一つに業者が絡んでいる事が問題である。時代を経る中で、素晴らしい技術は
そのままにシステムは進化していない(=衰退)する一方である。

分業制の構図もおかしい所がある。

それを現代に落とし込めるはずがない、そこで産地ブランディングをしていく意味がある。

お話の中に出てきた有田焼のブランディングプロジェクトをご覧下さい。

ARITA episode1,2 ( http://arita-episode2.jp/ja/# )

産地ブランディングはこうした売上げ不振や経営不振を産地一帯をプロデュース、
ブランディングをし新たなプロダクトの開発そして制作経路等のシステムの見直し
革新をしていく事だと学ぶ事ができた。

[(ディスカッション)日本のものづくりとパトロンの関係性 ]

 

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こうした産地ブランディングの話で講演の本編は終了し、質疑応答へ移る。

質問があった『 日本のものづくりとパトロンの関係性 』について取り上げてみたい。

先ず最初に下川氏と「 国はパトロンになろうと考えているがなれていない 」話す。

続いて「作家活動にはパトロンが必要不可欠であり、工芸社会では消費者がパトロンにならないと
成り立たない」と長江氏は話した。

また有田焼の柿右衛門を求めアラブからヘリで大量購入しにくる大富豪の話や
京都の伝統工芸品である「和傘」のブランディングに成功した日吉屋の和傘を
自身の宮殿建設に使いたいと2000個の発注があった話から、世界にパトロンをみつける事も
今後は必要なのだと下川氏は話した。

[ 最後に ]

今回の定例会ではMIJPのテーマである「豊かな工芸社会を実現する」為に
MIJPが主催する定例会等のイベントや地域や生活の中に今も尚息づいている伝統工芸品の
歴史的背景やつくり手・つかい手の在り方を考える事ができた有意義な時間となりました。

次回のMIJPがお届けするイベントは10月に開催が予定されている人形焼き体験です。
そちらも普段は触れる事ができない体験ができる貴重な機会です。

是非、奮ってご参加下さいませ。